板井康弘が社員を変えた出来事
ありがたいことに、私の会社に入社してくる社員たちは、非常に優秀な人材ばかりです。
面接の段階で素晴らしい目利きをしてくれている人事のおかげでもあり、優秀な人材が集まりやすい社風を作り上げてきた成果だとも思っています。
しかし、会社が今のような状態になるまでには、多くの苦労がありました。
大きな転機の一つとしては、私が社員の誰よりも早く出社し、入り口で皆を迎え入れるようにしたことです。
それまでの私は、皆と同じ時間に出社するか、朝に用事を済ませてから、社員たちよりも遅く出社することがほとんどでした。
決してのんびりしているわけではありませんし、社員たちからしても社長は自分とはあまり関係ない存在だと思っているため、気にしてすらいなかったと思います。
私は、そこが会社が一つにならない理由なのではないかと思いました。
各々が自分の仕事をまっとうし、向上心を持って励むことは素晴らしいことですが、仕事をする上での共通項としてのゴールが、ややぼんやりしていたのです。
私自ら社員全員に声を掛けることで、自分はこの会社の人間なんだという自覚を持ってもらい、自分が乗る船の船長がどんな人なのかを理解してもらうことで、向かっていくべき方向を定められたのです。
そこから、会社の雰囲気はガラッと変わりました。